ダイビングのライセンスを取得しようと思ったら気になるのが費用ですよね。
でも色々なお店のHPを見ると表示されている金額がどこもバラバラでわかりにくい。
ここではダイビングのライセンスを取得するのにいくら掛かるのかを解説していきます。
費用を出すための参考価格ですが、世界最大のダイビング指導団体であるPADIの初心者ダイバー講習オープン・ウォーター・ダイバー講習を例に説明します。
ダイビングライセンス取得に掛かる費用
誰が料金を決めているの?
同じダイビング指導団体の同じライセンスを取得しようと思っても、お店のHPについている料金はバラバラ。
一体、ダイビング講習の料金は誰が決めているのでしょうか?
それはずばり、ダイビングショップやインストラクターです。
ダイビング指導団体自体は教材の開発やダイバーCカードの発行などをしており、講習の指導などは一切行いません。
講習は全てインストラクターが行います。
例えば、AダイビングショップでPADIの講習を受講するとしましょう。
AダイビングショップはPADIの登録を受けたダイビングショップです。
Aダイビングショップに所属するインストラクターもPADIのインストラクターになります。
しかし、AダイビングショップはPADIの関係関連会社ではありませんし、そこで働くPADIインストラクターもPADIのスタッフではありません。
あくまでPADIの名前を使い活動することが許可されたダイビングショップやインストラクターなのです。
ですからPADIからお給料をもらうことはできません。
自分たちでPADIの名前を使い、ダイビングビジネスを行っているのです。
そのため、講習の価格設定はダイビングショップやインストラクターがそれぞれ決めています。
ダイビングショップの料金設定の考え方
一般的に初心者用のダイビング講習は2日間から4日間ほどで打ち出しをしているダイビングショップが多くあります。
ダイビングビジネスは正直生産性がよくありません。
安全管理のため、一度に見ることのできる人数が決まっているからです
更に、自然相手ですから、海況に応じてインストラクター1名に対するお客様の人数を減らさなければならない場合もあります。
講習も1日では終われません。
複数日かかりますので、その間、インストラクターは拘束され、人件費もかかります。
また、教材、DVD、ログブック、レンタル用のダイビング器材、タンク代、施設使用料などのコストも掛かります。
諸々すると1人当たりの金額はコストだけでは実は結構高くなります。
しかし正直に「3日間で初心者ダイバー講習が100,000円」と打ち出しをしても中々集客ができません。
ですので、多くのダイビングショップでは、集客をするために、取得日数を短くしたり、見せるための費用を安く表記しています。
特に費用ですが、「講習料金が39,000円」と記載されていても、あくまで「講習するための料金」が39,000円で実は、他に教材代がかかったり、海洋実習費が含まれていなかったり、レンタル器材代が含まれていなかったりする場合もありますので注意する必要があります。
ダイビングライセンスを取得するのに掛かるお店側のコスト
では、具体的にお店側のコストを解説していきます。
まず講習を受講するのに必要な教材です。
これは基本的に指導団体がお店側に卸しています。
PADIでは、一般的にお店によって販売レベルが設定されており、レベルによって仕入れ価格が違います。
そのため、多少の誤差は出てきますので、予めご了承ください。
標準的な教材一式を申請料込みで購入するとおよそ15,000円。
ダイビングのタンクをレンタルすると1本あたりおよそ1,500円。
講習では1人およそ5本のタンクを最低でも利用するので、合計で7,500円。
海でダイビングをした後にシャワーなど浴びるために必要な施設使用料がおよそ1,500円ほど掛かります。
ここまでが一番わかりやすいですかね。
合計すると、24,000円です。
別途掛かるものとして、講習を開催するインストラクターの人件費、レンタル用の器材代、海まで行くための交通費、店舗を借りているのであれば、毎月の家賃や光熱費、プールを利用するのであれば、プールの利用料などが掛かります。
ざっくりと計算しても、コストだけで40,000円ほどは掛かり、ここに利益を載せないとビジネスとして中々成り立ちません。
講習を3日間かけて開催する場合、1日あたり10,000円の利益が欲しいと思ったら、講習料金の合計は70,000円となるわけです。
正直な金額表記では集客ができません
しかし、多くのショップのホームページを見ると、15,000円や25,000円など低価格な料金が表記されています。
それは何故でしょうか?
ずばり高価格だと集客ができないからです。
低価格表記をし、開催日を絞ることにより、交通費なインストラクターの人件費、タンク代などのコストを削減しているのです。
中には赤字覚悟の料金で表記し、説明会の参加を必須にしているダイビングショップもあります。
多くの場合、説明会に参加することにより、ダイビング器材を購入してもらい、そこで利益をあげるという考えのダイビングショップもあります。
もちろん長くダイビングを趣味として続けるなら、また、水中活動という特殊性から、安全面を考えた場合、自分のダイビング器材を購入し、その器材を使って講習を受講した方がいいのですが、ダイビング器材は中々高価なものです。
また、多くの種類があり、本当に自分にあっている器材か最初はわかりません。
ですので、最初はよほど、そのお店、インストラクターが信頼できる場合をのぞき、レンタル器材で講習を受講する方がいいと思います。
今回はダイビングライセンス取得に掛かる費用について解説してきました。
ホームページについている金額が安いからすぐに申し込むと、実は想定外の料金が掛かる場合がありますので、説明会などに参加し、もしくはメールなどで問い合わせをし、総額でいくら掛かるのかをきちんと確認してから申し込みをすることをお勧めいたします。