こんにちは!ダイビングインストラクターのティージェーです。 「ダイビングって、本当に安全なの?」「よく『簡単だよ!』って聞くけど、実際どうなんだろう…」 そんな疑問や、ちょっぴりの不安を感じている方、いらっしゃるかもしれませんね。 今日は、1997年から実に25年以上(!)ダイビングインストラクターとして、そしてインストラクターを育てるコースディレクターとして海を見てきたティージェーが、ダイビングの「本当のところ」、そしてそれを理解した上で、どうすれば安全にこの素晴らしい水中世界を楽しめるのか、その秘訣を包み隠さずお話ししたいと思います。
「テレビや雑誌で見るダイビングって、すごく綺麗で楽しそう!」 「でも、水の中ってちょっと怖い気もするし、自分にできるのかな…」 「経験者の友達は『大丈夫だよ!』って言うけど、本当にそうなのかな…?」 うんうん、その気持ち、すごくよく分かります。キラキラした海の写真や、「誰でも気軽に楽しめる!」というキャッチフレーズだけだと、ダイビングが持つもう一つの側面、つまり潜在的なリスクや、習得に必要な努力が見えにくくなってしまうことって、確かにあるかもしれませんよね。 でも、安心してください。ダイビングの特性をしっかりと理解し、正しいステップで学べば、そのリスクを最小限に抑えて、最高の楽しみを味わうことができるんです。
ダイビングの「本当のところ」:危険性と難しさについて
まず、はっきりとお伝えしたいことがあります。 巷では「ダイビングは簡単で安全なレジャー」というイメージが先行しているかもしれませんが、ティージェーは長年の経験から、こう考えています。
ダイビングは、本質的には危険を伴う可能性のある活動です。 ダイビングは、最初は誰にとっても難しいものです。 ダイビングは、残念ながら誰にでもできるわけではありません。
「えっ、そんなこと言われちゃうと、ますます不安になるよ…」と思ったかもしれませんね。 でも、これは怖がらせたいわけでは決してないんです。むしろ逆。 本当のリスクや難しさを知らずに、「大丈夫だろう」と安易な気持ちで始めてしまうことの方が、よっぽど危険だとティージェーは思うからです。 しっかりと現実を理解した上で、適切な準備とトレーニングを積むこと。それが、安全なダイビングへの第一歩なんですよ。
ダイビングって、具体的に何が危険なの?
ちょっと想像してみてください。ぼくたち人間は、本来、陸上で呼吸して生活する生き物ですよね。そのぼくたちが、器材の助けを借りるとはいえ、呼吸ができない水中に長時間潜るわけです。 そこには、陸上にはない、いくつかのリスクが潜んでいます。
- 器材の故障: もし、水中で空気を供給してくれるレギュレーターや、浮力を調整するBCD(浮力調整ジャケット)が突然故障してしまったら…パニックに繋がる可能性があります。
- 予期せぬ海の状況変化: 水面は穏やかに見えても、水中に潜ったら実は強い流れ(激流!)があって、あっという間に流されそうになった…なんていう話は、残念ながらよく聞く話です(苦笑)。
- 身体への影響:
- 耳のトラブル: 上手く耳抜き(水圧で耳が痛くなるのを解消するテクニック)ができないと、鼓膜に炎症が起きたり、ひどい場合は穴が開いてしまったりすることも。
- 肺の過膨張障害: 息を止めたまま急浮上してしまうと、肺が膨らみすぎて傷ついてしまう、非常に危険な状態です。
- 減圧症(潜水病): 体内に溶け込んだ窒素が、浮上時にうまく排出されずに気泡となり、関節痛やしびれ、麻痺などを引き起こす、ダイビング特有の障害です。
これらのリスクは、正しい知識と適切な対処法を学べば、ほとんどの場合避けることができます。でも、「そういう可能性もあるんだ」ということを、まず知っておくことが大切なんです。
ダイビングって、やっぱり最初は難しい?
「ダイビングって、運動神経が良くないとダメなんでしょ?」とか「泳ぎが得意じゃないと無理だよね?」なんて思っていませんか? 結論から言うと、ダイビングは、最初は誰にとっても難しいものです。でも、慣れれば、そして正しく練習すれば、誰でも上達できる可能性を秘めています。 最初から「ダイビングなんて簡単ですよー!」と言う人の言葉を、鵜呑みにしすぎないでくださいね(笑)。水泳が得意な方でも、水中で器材を使いこなし、自由に動き回るのには、やっぱり練習と慣れが必要なんです。
何がそんなに難しいのか? 大きく分けると、次の2つがポイントになるかもしれません。
- 浮力コントロールと水中でのバランス: 陸上では、ぼくたちは重力のおかげで、当たり前のように地面に立っていますよね。でも、水中では「浮力」という、体が浮こうとする力が常に働いています。このフワフワした、まるで無重力のような空間で、自分の体を思い通りにコントロールするのが、最初はとても難しいんです。 ダイビングでは、
- プラス浮力: 水面にプカプカ浮いている状態。
- 中性浮力: 浮きも沈みもしないで、水中でピタッと静止できる状態。
- マイナス浮力: ゆっくりと水底に向かって沈んでいく状態。 この3つの浮力を、BCDという器材に空気を入れたり抜いたり、あるいは自分の呼吸を調整したりしながら、巧みに使い分ける必要があります。 特に難しいのが、スムーズに潜降(沈んでいくこと)する時の「マイナス浮力」の調整と、水中で魚のように漂うための「中性浮力」の維持です。 潜降スピードが速すぎると耳抜きが間に合わなかったり、水底のサンゴを傷つけてしまったりするかもしれません。逆に遅すぎると、流れのある場所では潜りたいポイントにたどり着く前に流されてしまうことも。 中性浮力が上手に取れないと、手足をバタバタさせてしまってすぐに疲れたり、空気の消費が早くなったり、水底の砂を巻き上げて視界を悪くしてしまったり…と、なかなか快適なダイビングができません。 重いタンクを背負い、慣れない器材を身につけた状態で、この微妙なバランスを取るのは、まさに練習あるのみ、なんです。
- ダイビング器材の操作: 水中で視界を確保するためのマスク、呼吸をするためのレギュレーター、泳ぐためのフィン、浮力を調整するBCD…。ダイビングは、これらの専用器材なしには成り立ちません。 それぞれの器材がどんな役割をしていて、どうやって操作するのか、そして自分の体にしっかりフィットした器材をどうやって使いこなすのか。これをマスターするには、やはり「慣れ」と「練習」が不可欠です。
ダイビングって、本当に誰にでもできるの?
「じゃあ、練習すれば誰でもダイバーになれるの?」という問いに対しては、残念ながら「いいえ、誰にでもできるわけではありません…」とお答えするのが正直なところです。 基本的には、健康な方であれば、10歳から(上限年齢は特に定められていません)ダイビングの初心者講習(オープン・ウォーター・ダイバー講習など)に参加することができます。 しかし、この講習では、安全にダイビングを楽しむために必要な知識とスキルを習得するために、プールや海で様々な実技練習を行います。 例えば、
- 水中でわざと自分のダイビングマスクの中に水を入れ、それを外に出す「マスククリア」というスキル。
- 水中で呼吸源(レギュレーター)が口から外れてしまった場合に、それを見つけて再び呼吸を確保する「レギュレーターリカバリー」。
- 水圧の変化で耳が痛くなるのを防ぐ「耳抜き」。 など、指導団体が定めた全てのスキル項目を、安全かつ確実に行えるようにならなければ、Cカード(認定証)は発行されません。
中には、
- 水中で呼吸をすること自体に強い抵抗を感じてしまう方。
- マスクの中に水が入ることに恐怖を覚えてしまう方。
- 体質的に耳抜きが非常に困難な方。 といった、生理的な要因や、どうしても特定のスキルが習得できない、という理由で、残念ながらダイビングライセンスの取得に至らない方も、少数ですがいらっしゃいます。
それでもダイビングを楽しみたい!あなたへ贈るティージェーからの提案
「うーん、やっぱりダイビングって大変そうだな…」 ここまで読んで、少し尻込みしてしまった方もいるかもしれませんね。 でも、ティージェーが本当に伝えたいのは、「だからダイビングはやめた方がいい」ということでは全くありません! むしろ、これらのリスクや難しさをちゃんと理解した上で、それでも「ダイビングをやってみたい!」というあなたのその気持ちを、ティージェーは全力で応援したいと思っています。
なぜなら、ダイビングは確かに最初は難しいかもしれませんが、正しく学び、経験を積めば、必ず上達し、安全に楽しむことができるようになるからです。そして、その先には、言葉では言い表せないほどの素晴らしい感動と、一生続けられる最高の趣味が待っているからです!
「ダイビングは簡単だよ!」という言葉をよく耳にするのは、ダイバーを増やしたいダイビングショップさんやインストラクターさんの「優しさ」だったり、あるいは、ダイビングにすっかり慣れて、始めた頃の難しさを忘れてしまったベテランダイバーさんの「実感」だったりするのかもしれません。 ダイビングショップのホームページにも、「ダイビングは難しいですよ」なんて、正直に書いているところは少ないかもしれません。だって、そう書いたらお客さんが来てくれないかもしれないですからね(笑)。ダイビング雑誌も、楽しそうな写真や、小柄な女性や芸能人が笑顔で潜っている姿ばかりが目立ちます。 だから、「ダイビングって、誰でもすぐに、安全で簡単にできるんだー!」って、多くの人がちょっぴり誤解してしまうのも、無理はないのかもしれません。
でも、思い出してください。どんなスポーツだって、最初は難しいものです。自転車だって、最初は何度も転びましたよね? ダイビングも同じ。「慣れる」までにどれくらい時間がかかるかは、人それぞれなんです。 だからこそ、もしあなたが「それでもダイビングのライセンスを取って、あの美しい海の世界を体験したい!」と強く思うなら、焦らず、じっくりと、そして何よりも**「信頼できるプロのもとで、正しいステップで学ぶ」**ことが、本当に本当に大切になってきます。
1.「少人数制」で丁寧に教えてくれるショップを選ぼう!
ダイビングライセンス講習では、インストラクターが一人ひとりのスキル習得度や、不安な気持ちに、きめ細かく目を配ることが不可欠です。 中には、開催日を限定して、インストラクター1名に対して生徒さんが6名、リゾート地などでは10名以上といった大人数で講習を行う場合もあると聞きます。 でも、ティージェーは、特に初心者の方には、絶対に少人数制の講習をおすすめします。 多くても、インストラクター1名に対して生徒さんは最大でも4名程度まで。できれば2~3名、あるいはマンツーマンが理想かもしれません。 そうでないと、限られた日数(多くの場合3日間程度)の中で、全員が全てのスキルを確実に習得するのは、非常に難しいと言わざるを得ません。もし、スキルが未熟なままCカードだけが発行されてしまったら、それは「危険なダイバー」を海に送り出すことになってしまいます…。 ティージェーのいる**「三浦 海の学校」では、お客様の安全と確実なスキル習得を第一に考え、常に少人数制での講習を徹底しています。** 一人ひとりのペースに合わせて、不安なことは何度でも質問し、納得できるまで練習できる環境を大切にしています。
2.「継続的に通える」ダイビングショップを見つけよう!
ダイビングは「慣れ」がとても重要です。ライセンスを取得しただけでは、まだスタートラインに立ったばかり。 そこから、実際に色々な海で経験を積んでいくことで、スキルは磨かれ、自信もついてきます。 「ライセンスは取ったけど、その後1年間一度も潜っていない…」なんてことになったら、せっかく身につけたスキルも忘れてしまいますし、何より危険です! ですから、ライセンス取得後も、継続的にダイビングを楽しめる環境を作ることが大切です。 毎週とは言いませんが、せめて月に1回程度、あるいは数ヶ月に1回でも、定期的に潜りに行けるように、通いやすいダイビングショップを選ぶことをおすすめします。 最初は、同じお店で、自分のことをよく分かってくれているインストラクターと一緒に潜り続けるのが、一番安心で、上達も早いかもしれませんね。
3.「自分に合ったダイビング器材」を少しずつ揃えよう!
「レンタル器材でも大丈夫ですよー」というお店もたくさんありますし、実際にレンタルでもダイビングは楽しめます。 でも、もしあなたがダイビングを長く続けていきたい、そしてもっと安全に、もっと快適に、もっと上手に潜れるようになりたい、と願うなら、できるだけ早いうちに、自分専用のダイビング器材を少しずつ揃えていくことを、ティージェーは強くおすすめします。 高価なものも多いので、いきなり全てを揃える必要はありません。マスクやフィン、スノーケルといった軽器材から始めて、次にスーツ、そしてBCDやレギュレーターといった重器材へ、というように、インストラクターとよく相談しながら、自分のダイビングスタイルや予算に合わせて選んでいくのが良いでしょう。 なぜ自分の器材が良いのか?
- フィット感が違う!:自分の体にぴったり合った器材は、水中で圧倒的に快適で、操作もしやすくなります。
- 安心感が違う!:いつも使い慣れた器材なら、いざという時も慌てずに対処できます。
- 上達が早い!:同じ器材を使い続けることで、その器材の特性を理解し、より繊細なコントロールができるようになります。
- 安全性が高まる!:レンタル器材は多くの人が使うため、どうしても劣化が進みやすく、故障のリスクも高まる可能性があります。自分の器材なら、愛情を込めてメンテナンスすることで、常にベストな状態を保てます。
- 結果的に経済的かも?:毎回レンタル器材代を払い続けることを考えると、長く続けるなら、トータルでは自分の器材を購入した方が安くつく場合もあります。
「三浦 海の学校」では、無理な器材販売は一切行いません。 まずはレンタルでダイビングの楽しさを知っていただき、その上で、もし自分の器材が欲しくなったら、あなたのレベルやご予算、ダイビングスタイルに本当に合った器材選びを、親身になってお手伝いさせていただきますので、ご安心ください。
まとめ:ダイビングは危険…だけど、正しく学べば最高の体験に!
ダイビングは、確かに陸上のアクティビティとは異なり、特有の危険性が存在します。水中という環境は、常に変化し、時にはぼくたちの予想を超えることもあります。どんなにダイビングが上手な人でも、器材の故障や予期せぬ海況の変化といったリスクがゼロになることはありません。 でも、それと同時に、ダイビングというマリンアクティビティが、言葉では表現しきれないほど素晴らしい感動と興奮、そして心の癒やしを与えてくれるのも、また紛れもない事実です。 だからこそ、世界中の多くの人々がダイビングに魅了され、PADIをはじめとする様々なダイビング指導団体が安全なダイビングのための教育プログラムを開発し、ぼくらダイビングインストラクターが、その楽しさと安全な潜り方をお伝えしているのです。
大切なのは、「ダイビングは危険な側面もある」ということをきちんと理解した上で、「どうすればそのリスクを最小限に抑え、安全に楽しむことができるのか」を、信頼できるプロから正しく学ぶこと。 そして、焦らず、自分のペースでスキルを磨き、経験を積んでいくこと。 そうすれば、ダイビングは、一度きりの特別な体験ではなく、あなたの人生を豊かに彩る、素晴らしい「生涯の趣味」となってくれるはずです。 なるべく早いうちに、自分に合ったダイビング器材を揃えることは、安全性、楽しさ、そして時には費用面においても、計り知れないメリットをもたらしてくれるでしょう。
ダイビングの「本当のところ」を知って、それでも「やっぱり海の世界を覗いてみたい!」と思ったあなた。その一歩を踏み出すお手伝いを、ティージェーにさせていただけませんか? 不安なこと、もっと詳しく知りたいこと、何でもお気軽にご相談ください。
◆ ダイビングの不安や疑問、LINEでティージェーに相談! https://lin.ee/wmURTM3
三浦 海の学校 紹介 都心から日帰りOK!「三浦 海の学校」で、ダイビングの「本当の楽しさ」と「確かな安全」を。 神奈川県三浦市、美しい諸磯(もろいそ)の海に面した「三浦 海の学校」では、ダイビングの魅力だけでなく、安全に楽しむための正しい知識とスキルを、何よりも大切に指導しています。都心からのアクセスも良く、目の前が穏やかなビーチなので、初心者の方でもリラックスして講習に集中できます。経験豊富なインストラクター(ティージェーもいます!)が、少人数制で一人ひとりのレベルとペースに合わせた丁寧な指導を心がけ、あなたのダイビングデビューからステップアップまで、そして安全なダイビングライフを末永くサポートします。 三浦 海の学校で安全なダイビングを学ぼう!
Kindle Unlimited で読める!ティージェーのマリンアクティビティ電子書籍 ダイビングの安全性やリスク管理、スキルアップについて、もっと深く学びたい!という方には、Kindle Unlimitedで読み放題の電子書籍もおすすめです。ティージェーも、安全なダイビングの実践方法や、初心者が知っておくべき大切なポイントに関する書籍の執筆に携わっています。あなたのダイビングライフをより安全で豊かなものにするためのヒントが、きっと見つかるはずです。 Kindle Unlimitedでティージェーの本を探す!